ベトナムの太陽発電事情についての情報をご紹介します。
ベトナムで太陽光の電源開発が進んだのは2019年である。
ベトナム政府が2019年6月末までに運転開始することを期限に電力の買取価格9.35セント/kWh(FIT制度)を定めた。
その後、ベトナム政府は太陽光発電のFIT制度を地上置き、屋根置き、水上置きの3つのタイプに分類し、
2020年12月末の運転開始を期限にFIT制度を改定した。
改定後のFIT制度においては、屋根置き太陽光発電が他のタイプと比較して高い買取価格(8.38セント/kWh)が制定されたため、屋根置き太陽光発電への投資が特に進んだ。ベトナム電力グループ(EVN)の公表情報によれば、
2020年初めには運転開始済みの屋根置き太陽光発電は1GWにも満たなかったが、2020年11月末には2.8GW、12月末には9.2GWと年末にかけて急速に開発が進んできた。
2021年1月以降はFIT制度が適用されておらず、現在、ベトナム政府の内部にて一部入札制度への移行、FIT価格の引き下げ等が議論されている状況である。
そのため、現在のベトナムの太陽光発電のマーケットにおいては、新規開発はひと段落した状況であり、セカンダリー市場での案件の売買が活発化している。
VIET JO 2021/04/17配信
EVNの年次統計によれば、ベトナムの電力需要は2000年以降、一貫して増加を続けていることが分かります。2020年実績値として、年間電力需要は216TWhに至っており、2030年には491TWh、2045年には877TWhまで拡大すると予測されています。
ベトナムの電力市場の成長はアジア諸国のなかでもトップクラスのスピードです。「実質GDP成長率に対する1人当たり電力消費量の成長倍率」はベトナムが1.41倍でトップであり、これは東南アジア諸国で最も電力消費量が大きいインドネシアの1.1を上回る数値となっています。
こうした電力需要の伸びに対して、供給側である電源開発が追いついていない問題が現状としてあります。
ベトナムの電源構成比を見ると、石炭火力(43.6%)、再生可能エネルギー(21.0%)、水力(16.9%)、ガス火力(14.7%)の順序で構成比が大きいことが分かる。再生可能エネルギーは、2017年頃はわずか数%程度の規模でしたが、現在までに全体の2割を占めるまでに拡大しました。
ベトナム政府は今後、再生可能エネルギーの比率を順次高めていく開発計画を立てています。
第8次国家電力マスタープラン草案によれば、全体に占める再生可能エネルギーの比率を2030年までに29%、2045年までに45%まで引き上げる計画であることが分かります。
ベトナムの太陽光発電ですが、ベトナム国内では中部から南部にかけて日射量の条件が良く、特に南中部沿岸地方ビントゥアン省、同ニントゥアン省は日射量の条件が良好であるため、多くの太陽光発電プロジェクトが集中しています。
2020年12月末を期限としていたFIT制度を前に、「ルーフトップ型(屋根置き型)」太陽光発電の開発が進み、わずか数か月で9GWhの新たな電源設備が送電網に接続されました。今後はFIT価格の引き下げと入札制度の導入が検討されています。
太陽光発電に重要な日照時間については、公表されている15地点では中部以南が長く、太陽光発電の候補地としても注目されています。
太陽光発電に重要な日照時間について
(ベトナム統計総局のデータより)
屋根に太陽光パネル
太陽光パネルの下で薬草を栽培しています
計画の実行には猶予もあるので、とりあえず計画をしてEVN(国営電力会社)にFITの申請をしてルーフトップ型の太陽光発電所を建設し売電を開始します。既に売電は始まっていますが、まだ何もできていないところが多々あります。
土地の名義は事業者個人で、屋根と発電設備は法人が所有しているケースが最も多いです。
その理由は法人が新たに農地を取得する場合は、その法人事態が農業の許可を取得する必要があり、そこに時間と手間がかかる様です。 個人で取得する場合は、そのまま名義変更ができるので2週間で手続きが完了できます。(外国人はベトナムの土地は買えません)
もう一つの特徴は1MWに対して1法人の所有が最も多く、その理由として考えられるのは申請の承認が早いからだと予想されます。1法人で4MW所有している案件もありますが、それはコネがないと難しいとの声もあり本当の理由はわかりません。
現在はEVNのFIT制度は入札制になりました。